箱根・仙石原の別荘地に建つ全10室の小さな宿、箱根湯宿 然-ZEN-の宿泊記です。全室に檜の半露天風呂が付き、食事は個室ダイニングで供されるという、いわゆる「大人の隠れ家」タイプの宿です。
最初にお伝えしておくべき前提があります。この記事に掲載している写真は2017年6月に宿泊したときのものです。然はその後、2023年12月から2024年2月にかけて改装のため休館し、2024年3月15日にリニューアルオープンしています。さらに2024年5月には庭園眺望の特別室が増設されました。
つまり客室の内装・設備・料理内容は、掲載写真と現在で異なる可能性が高いです。そのため本記事は「宿泊当時の記録」と「公式サイトで確認できる現在の情報」を明確に分けて書いています。予約前の判断材料としては、必ず後者と公式サイトをご確認ください。
なお当ブログでは宿泊直後にも短い記録を投稿しています。当時の生の感想は箱根の高級宿泊施設「箱根湯宿 然」に行ってみたをご覧ください。本記事はそれを基に、公式情報と照合しながら大幅に加筆したものです。
この記事でわかること
- 然の基本スペック(立地・客室数・温泉・送迎・駐車場)
- 現在の客室タイプの構成(全10室の内訳)
- 客室・客室露天風呂・洗面まわりの実際の様子(2017年宿泊時)
- 夕食・朝食のボリューム感と構成(2017年宿泊時)
- 泉質の表記が資料によって分かれている点など、予約前に確認したい注意点
箱根湯宿 然-ZEN- の基本情報
以下は公式サイトに記載されている内容です(2026年8月25日確認)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1245-96 |
| 電話 | 0460-84-2400(受付10:00〜18:00) |
| 客室数 | 全10室(和洋室4室 / 洋室6室、うちダブルベッド1室) |
| 客室風呂 | 全室に檜の半露天風呂(掛け流し) |
| 源泉名(公式・客室ページの表) | 大涌谷温泉 |
| 泉質(同) | 酸性 – カルシウム – 塩化物・硫酸塩温泉 |
| 食事 | 個室ダイニングでの創作会席(箱根西麓和牛を使用) |
| 送迎 | 無料送迎あり(最寄バス停・駅到着後、宿へ電話) |
| 駐車場 | 無料12台 |
| Wi-Fi | 全室無料 |
客室数10室に対して駐車場12台なので、車で行っても駐車場の心配はほぼ不要です。
泉質の表記が資料によって分かれている点
ここは注意点として先に書いておきます。温泉の表記が、参照する資料によって一致していません。
- 公式トップページ・客室ページの表:源泉名「大涌谷温泉」/泉質「酸性 – カルシウム – 塩化物・硫酸塩温泉」
- 公式客室ページの説明文:「強羅温泉」を掛け流し、という記述
- 一部の宿泊予約サイト:「アルカリ性弱食塩泉」「強羅温泉」といった記載
酸性泉とアルカリ性の弱食塩泉は性質がまったく違うため、どちらかが古い情報のまま残っている可能性が高いと考えられますが、どれが現在の正解なのかは外部から判断できませんでした。肌の相性や泉質を重視して宿を選ぶ方は、予約前に宿へ直接確認するのが確実です。
アクセス:仙石原の別荘地、送迎は電話が必要
最寄りは箱根ロープウェイ「姥子駅」、箱根登山バス「パレスホテル前」バス停、伊豆箱根バス「姥子」バス停。いずれからも宿までは車で約3分で、到着後に宿へ電話をすると無料送迎車が来る運用です。バス停に着いてから電話、という順番なので覚えておくとスムーズです。
周辺観光地までの所要時間は公式サイトに以下のように記載されています。
| 行き先 | 宿からの所要時間(車) |
|---|---|
| 芦ノ湖 | 約5分 |
| 仙石原のすすき草原 | 約6分 |
| 大涌谷 | 約10分 |
| 箱根ガラスの森美術館 | 約10分 |
| 箱根ラリック美術館 | 約10分 |
| 箱根湿生花園 | 約10分 |
| ポーラ美術館 | 約15分 |
| 箱根神社 | 約20分 |
仙石原の主要スポットが車で10分圏内に収まっているので、日中は観光、夕方以降は宿にこもるという組み立てがしやすい立地です。
外観・エントランス
建物は黒い塗り壁に木の縦格子を組み合わせた、和モダンというより「和のミニマル」に近い外観です。看板も控えめで、別荘地の一角に静かに建っています。

観光客の多い箱根らしからぬ静けさで、到着した時点で「静かに過ごす宿だ」と分かる雰囲気でした。
客室:全10室、タイプは眺望別に6種類
現在の客室構成は公式サイトによると以下のとおりです。眺望(庭園・富士山&外輪山・森)とレイアウトの組み合わせで分かれています。
| 客室タイプ | 室数 | 定員 | 主な構成 |
|---|---|---|---|
| 庭園側 洋室ツイン(2024年増設) | 1室 | 2名 | セミダブル仕様のツインベッド+半露天風呂 |
| 富士山・外輪山側 和洋室(一番人気) | 2室 | 2〜4名 | ツインベッド+畳の間+半露天風呂 |
| 富士山・外輪山側 洋室ツイン(二番人気) | 2室 | 2名 | ツインベッド+ソファ&バルコニー(またはデイベッド)+半露天風呂 |
| 森側 和洋室 | 2室 | 2〜4名 | ツインベッド+畳の間+半露天風呂 |
| 森側 洋室ツイン | 2室 | 2名 | ツインベッド+ソファーベッド+半露天風呂 |
| 森側 洋室ダブル(最もリーズナブル) | 1室 | 1〜2名 | キングサイズのダブルベッド+半露天風呂 |
富士山眺望の部屋は合計4室しかなく、しかも公式サイトには「空気が澄んでいる日にはお部屋によっては」という条件付きの表現が使われています。富士山を目的にするなら、天候の運と部屋の運が両方必要だと理解しておいた方が精神衛生上よいでしょう。

宿泊した部屋は、セミダブル程度のベッド2台に加えて、窓際に小上がり状のスペースがあるタイプでした。クッションが置かれ、昼間はソファのように、就寝時は寝床としても使える構造です。子ども連れや3人利用でも成立する作りだと感じました。
※部屋タイプの正式名称は記録が残っていないため断定を避けます。上記の表の「洋室ツイン(デイベッドタイプ)」または「和洋室」に相当すると思われますが、改装前の構成であることもあわせてご留意ください。
洗面スペースとアメニティ

洗面は石をくり抜いた手洗い鉢と、一枚板のカウンターの組み合わせ。スキンケア類、ドライヤー、歯ブラシ、湯呑み、脱衣用のカゴとスツールが揃っていて、必要なものは足りていました。
公式サイトに記載されている現在のアメニティ・備品は以下のとおりです。
| 区分 | 内容(公式サイト記載) |
|---|---|
| 客室備品・設備 | 客室半露天風呂 / シャワールーム / 温水洗浄トイレ / テレビ / 冷蔵庫(ビール・ジュース・天然水)/ デスク / エアコン / 羽毛布団 / 化粧鏡 / Wi-Fi |
| アメニティ | フェイスタオル / バスタオル / バスマット / ボディソープ / シャンプー / リンス / シャワーキャップ / ドライヤー / 歯磨きセット / 作務衣 / パジャマ / ブラシ / 髭剃り / 綿棒 / スリッパ / コットン / 化粧品(メイク落とし・洗顔料・化粧水・乳液) |
| 貸出備品 | そばがら枕 / ヘアアイロン(カール・ストレート) |
作務衣とパジャマの両方が用意されているタイプです。枕が合わない人向けにそばがら枕の貸出があるのは、地味ですが効く配慮だと思います。
客室の冷蔵庫

宿泊時の冷蔵庫には缶ビール、烏龍茶、野菜ジュースに加えて、2Lのペットボトルの天然水が入っていました。当時の記録ではこれらは無料で提供されるものでした。公式サイトの客室備品欄にも現在「冷蔵庫(ビール・ジュース・天然水)」と記載があるので、運用自体は続いていると思われます。
ただし無料提供が現在も同条件かは公式サイトの記載からは読み取れないため、気になる場合は予約時のプラン説明で確認してください。2Lの水が置かれているのは、風呂に何度も入る宿として理にかなっています。
客室の半露天風呂:檜の浴槽を好きな時間に

この宿の中心はやはり客室の半露天風呂です。檜の浴槽に外気が入る構造で、目隠しの格子の間から緑が見えます。掛け流しなので、時間や順番を気にせず好きなだけ入れるのが最大の価値でしょう。大浴場に行く手間も、他の宿泊客と鉢合わせる気遣いも要りません。
なお現在の公式サイトでは「天然掛け流しにごり湯」と表記されていますが、掲載写真では白濁は確認できません。宿泊時点(2017年)と現在で源泉や運用が変わっている可能性があり、湯の色については確かなことは言えません。
ちなみに他の宿泊レポートでは、源泉温度が高めのためチェックイン直後に入れるよう温度が調整されているという記述も見られました。到着してすぐ入りたい人には嬉しい運用です。
夕食:個室ダイニングでの会席コース
食事は個室のダイニングで供されます。周りの声を気にせず食べられるので、記念日利用や子連れでも気が楽なスタイルです。以下は2017年宿泊時のコースの一部です。

先付は、器に注がれたスープ仕立てのものと、押し寿司・白魚を合わせた構成。皿は金彩の入った大ぶりのもので、見せ方に手が入っています。

お造りは白身と皮目を炙ったものを合わせた構成。量は多くありませんが、コース全体の流れを考えると適量でした。

焼き物は海老・白身魚・とうもろこし・湯葉巻きなどを一枚の皿に盛り合わせたもの。小鉢が添えられ、品数で満足感を作るタイプの構成です。

メインは、サシの入った牛肉と豚バラ肉に野菜を添えたもの。卓上で加熱していただく形式で、しゃぶしゃぶまたは陶板焼きに相当する一品でした(提供形式の詳細は記録がなく断定できません)。
現在の公式サイトでは、夕食に箱根西麓和牛を使い、相模湾・駿河湾の魚介と箱根西麓野菜・西湘野菜を組み合わせたコースだと案内されています。素材の方向性は当時から一貫していますが、リニューアル後のメニュー内容は変わっている可能性があります。
朝食:小鉢の籠盛りと鍋

朝食は小鉢を籠に並べた和朝食に、卓上で温める鍋が付く構成でした。品数が多く、朝から量を食べる人でも足りるボリューム感です。旅館の朝食としてはかなり満足度が高い部類でした。
向いている人・向いていない人
宿泊した印象と現在の公式情報を合わせると、こう整理できます。
向いている人
- 大浴場より部屋風呂を好きなだけ使いたい人
- 食事を人目を気にせず食べたい人(全食事が個室ダイニング)
- 全10室の静かな環境で、宿から出ずに過ごしたい人
- 車で行きたい人(無料駐車場12台、周辺観光が10分圏内)
向いていない人
- 広い大浴場やサウナ、露天の湯めぐりを期待する人
- 館内に売店・娯楽施設が充実していることを求める人
- 富士山の眺望を確約したい人(該当客室が限られ、天候にも左右されます)
- 夜遅くまで外で飲み歩きたい人(別荘地内で周囲に飲食店はほぼありません)
予約前に確認しておきたいこと
- 2024年3月のリニューアル後の状態か:客室写真やプラン説明が改装後のものかを確認する
- 泉質・源泉の表記:公式サイト内でも記載が分かれているため、重視する場合は電話で確認する
- 眺望の指定可否:富士山・外輪山側の洋室ツインは「お部屋タイプのご指定はできません」と明記されています
- 送迎の手順:最寄バス停・駅に到着してから宿へ電話する運用
- 休館日:設備点検などで年始に数日休館する年があります(公式のお知らせ欄で確認可能)
- ふるさと納税:公式サイトにSTAYNAVI経由のふるさと納税バナーが掲出されています。条件は自治体側の案内を確認してください
まとめ
箱根湯宿 然-ZEN-は、全10室すべてに檜の半露天風呂、食事は個室ダイニングという構成で、「他人と接触せず静かに湯に浸かる」ことに全振りしたタイプの宿です。仙石原の別荘地という立地も、その方向性と噛み合っています。
2017年宿泊時の記録として書いてきましたが、2024年3月のリニューアルを経ているため、実際の内装や料理は本記事の写真と異なる可能性が高いです。宿の性格や立地の使い勝手を掴む材料として読んでいただき、具体的な設備・料金は公式サイトで最新のものを確認してください。
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出典・参照
出典:箱根湯宿 然-ZEN- 公式サイト(参照日:2026年8月25日)
元記事URL:https://www.hakone-zen.com/
参照:客室ページ(客室タイプ・源泉・アメニティ)/交通アクセスページ(送迎・駐車場・周辺観光の所要時間)
参照:箱根温泉公式サイト「箱ぴた」宿レポ(湯温の調整に関する記述)
客室・料理・外観の写真はいずれも筆者撮影(2017年6月25〜26日宿泊)

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