清水寺へ至る二寧坂に面した東山の高台に建つパーク ハイアット 京都。2019年10月30日開業、全70室のラグジュアリーホテルです。
特筆すべきは成り立ちで、このホテルは明治10年創業の料亭「山荘 京大和」の敷地の一部に建てられています。江戸時代から続く茶室や日本庭園といった歴史的建造物を保存・復元しながら、周囲の町並みに合わせた低層建築として設計されました。ハイアットのパークブランドとしては、パーク ハイアット 東京に次ぐ日本2軒目、25年ぶりの開業です。
今回はパークスイートに宿泊しました。客室からウェルネスセンターまで、実際の様子をまとめます。
この記事でわかること
- ホテルの基本情報と、料亭「山荘 京大和」との関係
- 全70室の客室構成(最小45㎡・スイート9室)
- パークスイートの客室・バスルーム・ミニバーの実際の様子
- 八坂の塔を望む眺望と、客室に面した坪庭
- ウェルネスセンター(浴室・サウナ・フィットネス)の様子
パーク ハイアット 京都の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 京都市東山区高台寺桝屋町360 |
| 開業 | 2019年10月30日 |
| 客室数 | 全70室(スイート9室を含む) |
| 最小客室サイズ | 45㎡ |
| 建物規模 | 地上2階・地下4階/敷地面積 約8,796㎡ |
| 施設 | 料飲施設4か所、宴会場1室、スパ、フィットネスセンター |
| 立地 | 二寧坂に面し、高台寺に隣接。清水寺へも徒歩圏内 |
| ハイアット カテゴリー | 最高位のカテゴリー8 |
スタンダードな客室でも45㎡が確保されているのが大きな特徴です。京都市最大の重要伝統的建造物群保存地区の中にあり、日本家屋の外観が町並みに溶け込むよう設計されています。京都市街と八坂の塔を同時に眺望できるという立地は、他ではなかなか得られないものでしょう。
客室タイプの構成
開業時に公表された客室構成は以下のとおりです。
| 客室タイプ | 広さ | 室数 |
|---|---|---|
| キング | 45㎡ | 22室 |
| ガーデンテラスキング | 45㎡ | 14室 |
| ビューキング | 45㎡ | 5室 |
| デラックスキング | 68㎡ | 2室 |
| ビューデラックスキング | 68㎡ | 1室 |
| パークスイート | 68㎡ | 4室 |
| 二寧坂ハウス | 68㎡ | 2室 |
| 東山ハウス | 90㎡ | 2室 |
| パゴダハウス | 135㎡ | 1室 |
今回宿泊したパークスイートは68㎡で4室のみ。上には二寧坂ハウス、東山ハウス、そして1室しかないパゴダハウスが控えています。
エントランスとロビー

石畳のアプローチを進むと、まず目に入るのが「京大和」と刻まれた石碑です。ホテルの入口でありながら、ここが料亭の敷地であることを最初に示してくる構成になっています。
ホテル棟は瓦屋根の低層建築で、松をはじめとする植栽に囲まれています。高さで威圧するのではなく、東山の斜面と町並みに沿わせる設計思想が外観からも読み取れます。

入口を入ると、ロビーの「THE LIVING ROOM」というラウンジスペースに案内され、そこでチェックインを行いました。フロントカウンターに並ぶのではなく、着席した状態で手続きが進みます。
空間を仕切る棚には京都の器や工芸品が展示・販売されており、単なる待合ではなくギャラリーのような役割も担っています。土壁を思わせる壁面と間接照明の組み合わせが落ち着いた雰囲気を作っていました。
ここではアフタヌーンティーも提供されているので、宿泊のハードルが高い場合でも、ラウンジ利用でホテルの一端に触れることはできます。
客室:パークスイート

客室へ続く廊下は照明を意図的に落としてあり、突き当たりの明るい窓へ視線が導かれる構成です。プライベート感が演出されていて、部屋に入る前から気持ちが切り替わります。
パークスイートはベッドルームとリビングの2部屋構成。それぞれ庭や外の景色に面しており、どちらにいても外部との繋がりを感じられる作りでした。

ベッドルームは、ヘリンボーン柄の壁面と木を基調とした天井でまとめられています。窓の外には竹垣と苔の庭。ベッドに横になったまま庭を眺められる配置です。

リビング側の窓の外にも庭が設けられ、石灯籠が配されています。テラスに出て外気に触れることもできる構造です。「庭と家屋が一体化する庭屋一如」という考え方が、このホテルの設計コンセプトとして掲げられています。
八坂の塔を望む眺望

窓際に設けられたソファに腰を下ろすと、瓦屋根の町並みの向こうに八坂の塔(法観寺五重塔)が見えます。これがこのホテルを象徴する眺望です。

視野を広げると、八坂の塔を中心に京都市街と、その奥の山並みまでが視界に収まります。左奥には京都タワーも確認できました。手前の伝統的な瓦屋根と、遠景の現代的な市街地が一枚に収まるのは、この高台の立地ならではです。
坪庭

客室に面した坪庭は、苔と石、そして竹垣で構成されています。狭い空間でも密度の高い庭がしつらえられており、部屋のどこにいても緑が視界に入るのがこのホテルの気持ちよさだと感じました。
バスルーム

バスルームは、大胆な模様の石材を壁一面に貼り込んだ空間に、白い独立型の浴槽が据えられています。和のしつらえで統一された客室とは対照的に、ここだけモダンで力強い印象でした。

洗面台は同じ石材のカウンターにダブルシンクという構成。2人で並んで支度をしても窮屈さがありません。アメニティはAesopが用意されていました。
ミニバーと客室の設え

ミニバーは引き出し式の家具に収められています。ネスプレッソのマシンとBALMUDAのケトル、そして「伏水」など京都の水が並びます。右手にはKI NO BIをはじめとするスピリッツ類。器も陶器の湯呑みが用意されており、細部まで和の設えで統一されていました。
この水がとにかく美味しくて、滞在中ずっと飲んでいた記憶があります。

引き出しを開けると、ワインボトルとグラスが仕切りに沿って整然と収納されています。ソムリエナイフとナプキンまで揃っており、部屋で飲むことを前提に設計されているのが分かります。

冷蔵庫にはシャンパンや白ワイン、ハイネケン、ザ・プレミアム・モルツ、山崎の水、サンペレグリノなどが冷えていました。
ウェルネスセンター:浴室・サウナ・フィットネス
このホテルにはスパとフィットネスセンターに加え、浴室とサウナが備わっています。京都のラグジュアリーホテルで湯に浸かれるのは、意外と貴重な選択肢です。

浴室は、石を組んだ湯船に木の縦格子と行灯のような照明を合わせた構成です。照明がかなり絞られていて、静かに湯に浸かるための空間として作られています。

サウナも併設されています。派手さはありませんが、木の質感を活かした端正な造りでした。浴室と行き来しやすい動線になっています。

フィットネスセンターはTECHNOGYMのマシンが揃い、フリーウェイトも用意されています。特徴的なのは内装で、障子を思わせる白い壁面と木の柱・梁で構成されており、一般的なホテルジムとはまったく違う雰囲気でした。ここまで和で統一する徹底ぶりには感心します。
敷地内の「山荘 京大和」

ホテルと同じ敷地内には、料亭「山荘 京大和」の歴史的建造物と日本庭園が保存されています。斜面に築かれた庭園の上に建つこの建物は茶室「送陽亭」で、敷地内で最も古い建造物とされ、江戸時代から続くものです。
400年以上の歴史を持つ日本庭園と江戸時代の茶室を保存・復元したうえで、その隣に現代のホテルを共存させる——この構図こそがパーク ハイアット 京都の本質だと思います。建築のプロセスは竹中工務店のプロジェクトストーリーで詳しく読めます。
まとめ
- 2019年開業、全70室。最小客室でも45㎡とゆとりのある構成
- 二寧坂に面した東山の高台で、八坂の塔と京都市街を同時に望める立地
- 料亭「山荘 京大和」の敷地内にあり、江戸時代の茶室や日本庭園と共存している
- 客室は庭に面した設計で、庭屋一如のコンセプトが徹底されている
- 浴室・サウナ・フィットネスを備え、内装まで和で統一されている
立地・建築・設えのいずれも、京都という土地でしか成立しないホテルでした。宿泊料金は決して手軽ではありませんが、「京都に泊まる」こと自体を体験の中心に据えたいなら、選ぶ価値のある一軒だと思います。
機会があればまた訪れたいホテルです。
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出典・参照
参照:パーク ハイアット 京都 公式サイト(施設情報、参照日:2026年9月4日)
参照:竹中工務店 プレスリリース(2019年10月30日)/ハイアット チェイン サービス リミテッド プレスリリース(開業日・客室構成・施設内容、いずれも参照日:2026年9月4日)
参照:竹中工務店「山荘 京大和」と「パーク ハイアット 京都」プロジェクトストーリー(建築の経緯)
写真はいずれも筆者撮影。施設・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。



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