三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行、PayPay銀行などは2026年11月5日、特殊詐欺の被害拡大を防ぐため、警察庁と新たな協定を結んだと一斉に発表しました。各行は11月9日から、警察庁・都道府県警察との「情報共有型連携」の運用を始めます。PayPay銀行の発表によると、協定を結ぶのは同行を含む約30の金融機関です。この記事では、仕組みと参加を発表した銀行、利用者に関係する点を整理します。
警察が集めた「詐欺に使われた口座」を銀行が照合し、振り込んだ人を探す
情報共有型連携は、詐欺の被害金が振り込まれた口座の情報を起点に、まだ被害に気づいていない人を早く見つけるための仕組みです。各行の発表をもとに流れを整理すると、次の4段階になります。
- 都道府県警察が把握した不正利用口座(特殊詐欺の被害金が振り込まれた口座)の情報を、警察庁が集約する
- 警察庁が、その情報を協定を結んだ金融機関に提供する
- 金融機関は、自行の振込データと照合する。該当する口座への振り込みが見つかれば、その取引の情報(被害懸念取引情報)を警察に提供する
- 情報を受けた都道府県警察が、被害に遭っている可能性のある人に連絡し、被害の状況を確認する
これまでも各行は、自行のモニタリングで詐欺の疑いが強いと判断した口座の情報を警察に提供してきました。今回の連携では、警察側が全国から集めた口座情報を銀行に渡す流れが加わります。三井住友銀行は、これにより被害懸念取引の情報を「より迅速に」警察へ提供できるようになると説明しています。
警察と銀行の連携は、2026年10月1日に始まった被害金の追跡・回復を目的とする枠組みに続くものです。GMOあおぞらネット銀行は、2025年8月の警察庁との情報連携協定、2026年10月の「官民協働型枠組み」に続く取り組みとして今回の協定を位置づけています。10月の枠組みはこちらの記事で解説しています。
11月5日に運用開始を発表した主な銀行は16行
巡回先の公式サイトで、11月5日に運用開始を発表したことを確認できた銀行は次のとおりです。約30機関のすべてではありません。開始日は、発表資料の本文で確認できたものだけを記載しています。
| 区分 | 銀行 | 運用開始日 |
|---|---|---|
| メガバンク・ゆうちょ | 三井住友銀行 | 11月9日 |
| みずほ銀行 | 発表資料を参照 | |
| ゆうちょ銀行 | 発表資料を参照 | |
| ネット銀行など | PayPay銀行 | 11月9日 |
| auじぶん銀行 | 11月9日 | |
| ドコモSMTBネット銀行 | 11月9日 | |
| ソニー銀行 | 11月9日 | |
| GMOあおぞらネット銀行 | 11月9日 | |
| 大和ネクスト銀行 | 11月9日 | |
| ローソン銀行 | 11月9日 | |
| UI銀行 | 11月9日 | |
| 信託銀行・その他 | 三井住友信託銀行 | 11月9日 |
| みずほ信託銀行 | 発表資料を参照 | |
| SBI新生銀行 | 11月9日 | |
| あおぞら銀行 | 11月9日 | |
| SBJ銀行 | 11月9日 |
みずほ銀行・みずほ信託銀行・ゆうちょ銀行は、発表資料の本文を今回確認できませんでした。タイトルはいずれも「運用開始について」です。
利用者への影響:振り込んだ相手が詐欺口座なら、警察から連絡が来ることがある
利用者が手続きをする必要はありません。影響があるのは、振込先が後から不正利用口座と判明した場合です。その振り込みの情報が銀行から警察に渡り、警察から本人に連絡が入る可能性があります。
だまされていることに気づかないまま振り込みを重ねれば、被害額は膨らみます。第三者である警察が早い段階で連絡できれば、次の振り込みを止められる可能性が高まります。各行が「被害拡大防止」を目的に掲げているのは、この点を指していると考えられます。
注意点:警察を名乗る連絡には、自分から確かめ直す
この仕組みで警察から連絡が来る可能性がある一方、警察を名乗る電話やメッセージを使う詐欺もあります。連絡を受けたときは、次の点を意識しておくと安全です。
- 電話口で暗証番号やインターネットバンキングのパスワードを伝えない
- 「口座を守るため」などの理由で、別の口座への振り込みや送金を求められても応じない
- 不安なときはいったん電話を切り、自分で調べた最寄りの警察署の番号や、警察相談専用電話「#9110」にかけ直して確認する
考察:銀行の「事後対応」から「被害の途中での介入」へ
10月の官民協働型枠組みは、被害金の追跡と回復が目的でした。今回の情報共有型連携は、被害が続いている最中の人を見つけて止めることに重心があります。都市銀行、ネット銀行、信託銀行が同じ日に同じ協定を発表しており、振込先の銀行がどこであっても照合が働く範囲を広げる狙いがうかがえます。参加行の一覧や照合の頻度など、運用の詳細は今回の発表には含まれていません。警察庁や各行から追加の発表があれば、続報で取り上げます。
関連記事
出典:三井住友銀行「特殊詐欺の被害拡大防止等を目的とした『情報共有型連携』の運用開始について」(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.smbc.co.jp/news/pdf/j20261105_01.pdf
出典:PayPay銀行 プレスリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.paypay-bank.co.jp/company/press/2026/1105.html
出典:GMOあおぞらネット銀行 プレスリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://gmo-aozora.com/news/2026/20261105-01.html
出典:みずほ銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20261105release_jp.pdf
出典:ゆうちょ銀行 報道発表資料(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.jp-bank.japanpost.jp/aboutus/press/2026/abt_prs_id002130.html
出典:auじぶん銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.jibunbank.co.jp/corporate/news/2026/1105_01.html
出典:ドコモSMTBネット銀行 プレスリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.netbk.co.jp/contents/company/press/2026/1105_006529.html
出典:ソニー銀行 プレスリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://sonybank.jp/corporate/disclosure/press/2026/1105-01.html
出典:大和ネクスト銀行 お知らせ(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.bank-daiwa.co.jp/info/2026/1105_01.html
出典:ローソン銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.lawsonbank.jp/corporate/release/pdf/20261105_01_release.pdf
出典:UI銀行 お知らせ(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.uibank.co.jp/cms_source/data/news/files/8ace877ce41c5fe131f49d9205f17fe0ab82f1f1.pdf
出典:三井住友信託銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.smtb.jp/-/media/tb/about/corporate/release/pdf/261105.pdf
出典:みずほ信託銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.mizuho-tb.co.jp/company/release/pdf/20261105release_jp.pdf
出典:SBI新生銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://corp.sbishinseibank.co.jp/ja/news/news/20261105a/main/01/link/261105_NPA_Fraud_Info_Sharing_j.pdf
出典:あおぞら銀行 適時開示資料(2026年11月5日)
元記事URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/8304/announcement1/125913/00.pdf
出典:SBJ銀行 ニュースリリース(2026年11月5日)
元記事URL:https://www.sbjbank.co.jp/data/news/file/20261105_press_info1160_1.pdf


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