電子書籍ストア「コミックシーモア」が、10月15日から全面的にサービスを停止しています。運営するNTTソルマーレは、第三者の不正アクセスで会員情報が流出したと発表しました。流出したのはメールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、生年月日、性別、ニックネームです。対象件数はまだ精査中です。
この記事では、10月15日の初報から10月18日の第3報までの公式発表をもとに、何が起きたのか、どの情報が流出したのか、利用者が今やるべきことを整理します。サービスの再開日は、10月19日時点で発表されていません。
コミックシーモアで何が起きたか(時系列)
NTTソルマーレは、10月15日に「コミックシーモア」のサーバーへ外部から不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断しました。同日11時35分にサービスを停止し、不正アクセスを遮断しています。翌16日には、会員情報を管理するシステムに不正アクセスがあり、内部の会員情報が第三者に流出したことを確認しました。
| 日付 | 公表 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 10月15日 | 初報 | 外部からの不正アクセスの可能性が高いと判断し、11時35分にサービスを停止 |
| 10月16日 | 第2報 | 会員情報を管理するシステムへの不正アクセスと、会員情報の流出を確認 |
| 10月18日 | 第3報 | 侵入経路と攻撃手法を特定。一部のシステムログファイルも閲覧・取得されたと判明 |
流出した情報と、流出していない情報
第2報・第3報で、流出が確認された会員情報は次の5項目です。いずれも「コミックシーモア」に会員登録したときの情報です。
- メールアドレス
- ハッシュ化されたパスワード
- 生年月日
- 性別
- ニックネーム
対象件数は第3報の時点でも「精査中」です。流出が確認された会員には、確認でき次第、個別に連絡するとしています。
一方、クレジットカード情報は今回の対象システムでは保有しておらず、流出していないと説明しています。購入履歴の流出や、MY本棚の流出・消失・欠損も、第3報の時点で確認されていません。
注意したいのは、第3報で新たに「一部のシステムログファイルも閲覧・取得された」と判明した点です。NTTソルマーレはこのログに会員情報が含まれていないかを精査しており、結果によっては流出した情報の範囲が広がる可能性があります。
第3報で分かったこと:原因は特定、再開日は未定
原因は分かりました。ただ、中身はまだ明かされていません。10月18日の第3報によると、侵入経路と攻撃手法はすでに特定され、同じ手口による不正アクセスと被害拡大を防ぐ措置がとられていますが、具体的にどの経路からどのような手法で侵入されたのかは公表されていません。
サービスの再開については、さらなる安全性の確保と関係機関との調整が必要なため、正確な日時は示せないとしています。再開は一度にではなく、購入済みの書籍をWEBで閲覧する機能から順次進める準備をしているとのことです。
ハッシュ化されたパスワードが流出すると何が問題か
ハッシュ化とは、パスワードをそのまま保存せず、元に戻せない形に変換して保存する仕組みです。NTTソルマーレも、そのままでは読み取れない形式だと説明しています。
ただし、ハッシュ値が流出しても安心とは言い切れません。攻撃者は、よく使われるパスワードを片っ端から同じ方式で変換し、流出したハッシュ値と照合できます。短いパスワードや単純なパスワードほど、元の文字列を割り出されるおそれがあります。どの方式でハッシュ化していたかは公表されていないため、利用者側では「割り出される可能性がある」と考えて備えるのが無難です。
NTTソルマーレ自身も、流出したメールアドレスとパスワードの組み合わせを使って、他のWebサービスへの不正ログインが試みられるおそれがあると注意を促しています。
利用者が今やるべきこと
1. 同じパスワードを使っている他のサービスを変更する
いちばん優先度が高いのは、コミックシーモアと同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを使っている他のサービスです。そのサービスのパスワードを、使い回しのない新しいものに変えてください。二段階認証を設定できるサービスは、あわせて有効にしておくと安心です。
コミックシーモア自体のパスワードは、今は変えられません。サービスが止まっているためで、再開時には全会員にパスワードの再設定を求める予定とされています。
2. コミックシーモアを名乗るメールに注意する
今回はメールアドレスに加え、ニックネームや生年月日も流出しており、これらを組み合わせると、本人しか知らないはずの情報を含んだもっともらしい偽メールを作れてしまいます。ここが厄介な点です。
「サービス再開のお知らせ」「パスワード再設定のお願い」といった、今回の事案に便乗した連絡が届く可能性があります。メール内のリンクや添付ファイルは開かず、再開の案内やパスワード再設定は、公式サイトやアプリを自分で開いて確認してください。NTTソルマーレも、不審なWebサイトで個人情報やパスワードを入力しないよう呼びかけています。
3. 再開時は公式の案内に沿ってパスワードを再設定する
再開時のパスワード再設定の詳細は、再開時に知らされる予定です。新しいパスワードは、他のサービスと共通にしないことが大切です。購入済みの書籍やMY本棚は、現時点で消失・欠損は確認されていないとされているため、再開を待って問題ありません。
公表内容から読み取れること(考察)
ここからは、3回の公式発表をもとにした筆者の考察で、推測を含みます。
まず、対応の速さです。不正アクセスの可能性が高いと判断した当日の昼前にサービスを全面停止し、翌日には流出を確認して公表しています。被害の拡大を防ぐことを優先し、全面停止という利用者への影響が大きい判断を早めに下したと読み取れます。
次に、第3報で「システムログファイル」が閲覧・取得されていた点です。会員情報のデータベースだけでなく、ログを保存している領域まで攻撃者が見られる状態だった可能性があります。ログには、システムの動作記録の中に利用者の情報が意図せず残ることがあり、同社が中身を精査しているのはこのためと考えられます。
最後に、原因は特定済みとしながら具体的な内容を伏せている点です。対策が完了する前に手口を明かすと、同じ方法での攻撃を招くおそれがあるため、こうした段階では公表を控えるのが一般的です。再開日が示されていないことも踏まえると、対策と安全確認にはもう少し時間がかかりそうです。
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まとめ
コミックシーモアでは、不正アクセスによりメールアドレスやハッシュ化されたパスワードなどの会員情報が流出しました。件数は精査中で、ログファイルの調査結果によっては範囲が広がる可能性もあります。クレジットカード情報は流出していません。
利用者が今すぐできるのは、同じパスワードを使っている他のサービスの変更と、コミックシーモアを名乗るメールへの警戒です。再開日や件数は今後の続報で示される見込みのため、NTTソルマーレの公式発表を確認してください。
出典
出典:NTTソルマーレ「『コミックシーモア』の緊急メンテナンスについて(初報)」(2026年10月15日)
元記事URL:https://www.nttsolmare.com/press/2026/0616-1.html
出典:NTTソルマーレ「『コミックシーモア』会員情報の流出に関するお詫びとお願い(第2報)」(2026年10月16日)
元記事URL:https://www.nttsolmare.com/press/2026/1016.html
出典:NTTソルマーレ「『コミックシーモア』会員情報の流出に関するご報告(第3報)」(2026年10月18日)
元記事URL:https://www.nttsolmare.com/press/2026/1016-1.html


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