eギフトサービス「giftee」などを手がけるギフティグループは10月26日、連結子会社ギフティの一部システムが不正アクセスを受け、eギフトが不正に発行される事案が起きたと開示しました。損失は約5.5億円の見込みで、2026年12月期の第4四半期に特別損失として計上する予定です。
利用者が持っているeギフトが不正に使われたわけではなく、利用者の資産の減少や個人情報の漏えいは確認されていないとしています。この記事では、適時開示の内容をもとに整理します。
何が起きたか
2026年10月25日、ギフティが運用するシステムの一部(以下「当該システム」)に対して、脆弱性を悪用した第三者の不正アクセスがあり、そのシステムを経由してeギフトが新たに不正発行されていたことが判明しました。
ギフティは同日、原因となった脆弱性を特定し、当該システムを停止して、この経路からの不正発行を遮断しました。当該システムは、今後も利用を再開しない方針です。どのシステムだったか、脆弱性の内容、不正に発行されたeギフトの種類や件数は公表されていません。
利用者への影響
| 項目 | 開示の内容 |
|---|---|
| 利用者が持っているeギフト | 不正に使用されたものではない |
| 利用者の資産 | 減少・毀損は確認されていない |
| 金銭的な損失 | 不正発行による損失はギフティグループ側に発生 |
| 個人情報 | 漏えいは確認されていない |
| ほかのサービス | 主要サービスは通常どおり稼働 |
| eギフト交換サービス | 対応に伴い一部で一時的な利用上の支障があったが、順次解消 |
今回の不正は、第三者がギフティのシステムを使って、本来発行されるはずのないeギフトを新たに作り出したものです。利用者が受け取ったり購入したりしたeギフトが盗まれたわけではない点が、一般的な情報漏えいとは異なります。
業績への影響
本件に起因する損失は、現時点で約5.5億円と見込まれています。2026年12月期第4四半期に特別損失として計上する見込みです。一方、主要サービスは通常どおり動いており、売上高と営業利益への重大な影響は見込んでいないとしています。
ギフティは、警察への相談・届出など必要な対応を進めるとともに、eギフト発行の管理体制と監視体制を強化して再発防止に取り組むとしています。
利用者が気をつけたいこと
開示では、利用者に特別な対応は求められていません。ただ、今回のような事案のあとには、「eギフトの再発行」「不正利用の確認」などを口実にした偽のメールやSMSが出回ることがあります。手元のeギフトを確認したいときは、メールのリンクからではなく、受け取ったサービスの公式アプリやサイトから確認するのが安全です(この段落は筆者の考えです)。
公表内容から読み取れること(考察)
ここからは、公式発表をもとにした筆者の考察で、推測を含みます。
この1か月の多くの事案は、個人情報が盗まれる「漏えい型」でした。今回は、システムの機能そのものを悪用して価値のあるもの(eギフト)を発行させるタイプで、被害は事業者の直接の金銭的損失として表れています。eギフトはすぐに換金や利用ができるため、攻撃者にとっては個人情報よりも直接お金に結びつきやすい標的です。
発覚した10月25日のうちに対象システムを止め、翌日には損失見込み額まで開示した速さは評価できます。一方、約5.5億円という損失額からは、検知されるまでにかなりの量のeギフトが発行されていたことがうかがえます。発行量や金額に異常があればすぐに止める仕組みが、再発防止の要になると考えます。当該システムを再開しないと決めたことからも、作り直しが必要なほどの問題だった可能性があります。
まとめ
ギフティグループの子会社ギフティで、システムの脆弱性を突いた不正アクセスにより、eギフトが不正に発行されました。損失は約5.5億円の見込みで、特別損失として計上される予定です。利用者のeギフトや資産、個人情報への影響は確認されていません。
対象システムは停止済みで、再開しない方針です。利用者は、便乗した不審な連絡に注意しつつ、続報を確認してください。
出典
出典:ギフティグループ「当社連結子会社の一部システムへの不正アクセスに伴うeギフトの不正発行および特別損失計上見込みに関するお知らせ」(適時開示)(2026年10月26日)
元記事URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20261026556413/


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