【2026年7〜9月】IPA相談3,369件|サポート詐欺の偽警告1,160件、不正ログインと国税庁かたる詐欺に注意

IPA 2026年第3四半期の相談状況のイメージ セキュリティ

IPA(情報処理推進機構)は2026年10月23日、個人からの相談を受け付ける「情報セキュリティ安心相談窓口」の2026年第3四半期(7月〜9月)の相談状況を公開しました。相談件数は3,369件で、前四半期から約12.1%減ったものの、前年の同じ時期と比べると約19.3%増えています。この記事では、件数の多かった手口と、一般の利用者が取れる対策を整理します。

相談件数の推移

IPAの公表した四半期ごとの相談件数は次のとおりです。2026年は4月〜6月が3,832件でもっとも多く、7月〜9月は減少に転じました。

期間相談件数
2025年7月〜9月2,824件
2025年10月〜12月2,976件
2026年1月〜3月3,533件
2026年4月〜6月3,832件
2026年7月〜9月3,369件

相談の受け付け方法は電話が2,618件ともっとも多く、電子メールが307件、チャットボットが243件、SMSが193件でした。

手口別の相談件数

相談の多かった手口は、「ウイルス検出の偽警告」「不正ログイン」「フィッシング」の順です。

手口2026年7月〜9月前四半期との比較(IPA公表)
ウイルス検出の偽警告1,160件(構成比34.4%)約18.8%減(前四半期は1,428件)
不正ログイン395件(同11.7%)約6.6%減
フィッシング117件(同3.5%)約19.8%減
ワンクリック請求21件(同0.6%)約8.7%減
暗号資産で金銭を要求する迷惑メール19件(同0.6%)約36.7%増

前四半期より減った手口が多い一方で、前年の同じ時期(2025年7月〜9月)と比べると水準は高いままです。たとえば「ウイルス検出の偽警告」は、前年同期の647件に対して今期は1,160件で、約1.8倍です(この倍率は当サイトがIPAの公表値から計算したものです)。

手口ごとの特徴と対策

ウイルス検出の偽警告(サポート詐欺)

パソコンの画面にウイルスを検出したという偽の警告を出して不安をあおり、表示された電話番号へかけさせてサポート契約に誘導する手口です。IPAによると、2025年5月30日に警察庁が関係する被疑者6人の検挙を発表した後、相談件数は一時的に減りましたが、その後ふたたび増えています。

画面に警告が出ても、表示された電話番号にはかけないでください。ブラウザーを閉じるなど、画面から離れる操作を先に試すのが基本です。

不正ログイン

SNSやショッピングサイト、クラウドサービスなどで、第三者にIDとパスワードを不正に使われた相談です。IPAは、FacebookやInstagramに不正ログインされて自分ではログインできなくなったという相談が前四半期に続いて多く、増加傾向にあるとしています。

サービスごとに異なるパスワードを設定し、使い回さないことが基本です。多要素認証(ワンタイムパスワードなど)が使えるサービスでは、設定しておくと被害を防ぎやすくなります。

フィッシング

各種サービスや企業をかたるメールから偽サイトにアクセスし、個人情報やクレジットカード情報を入力してしまったという相談です。IPAは、国税庁をかたるフィッシングなど、さまざまなサービスをかたる手口を確認しているとしています。

ワンクリック請求・暗号資産を要求する迷惑メール

ワンクリック請求は、手口に変化はなく、突然会員登録が完了したと表示されて支払いを求められ、支払う必要があるのかという相談が中心です。暗号資産を要求する迷惑メールは、嘘の恐喝内容に驚いて真偽を尋ねる相談が続いています。IPAは、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認していないとしています。

相談事例:国税庁をかたるメールに注意

IPAが相談事例として紹介したのは、国税庁から還付金に関するメールが届いたというものです。IPAは、フィッシングメールと思われると回答しています。

  • 国税庁、国税局、税務署は、ショートメッセージやメールで国税の納付を求める案内や、差し押さえの執行を予告する案内を送っていないとして、注意喚起している。
  • 2026年9月から、Android向けの不正アプリのインストールに誘導するフィッシングメールの報告がある。
  • 2026年10月1日現在、Android向けの公式のe-Taxアプリは提供されていない。

国税庁をかたるメールやSMSを受け取ったときの対策として、IPAは次の4点を挙げています。

  1. 添付ファイルを開かない。
  2. 偽のSMSやメールを疑い、本文内のURLを安易にタップしない。
  3. 提供元不明のアプリ(公式マーケット以外で配信されるアプリ)をインストールしない。
  4. パスワードや認証コードなどを安易に入力しない。

操作してしまった場合の対処

  • リンクを開いただけで、入力やインストールはしていない:被害にはつながらないため、メールを削除すれば足ります。
  • 個人情報を入力した:さらに不審なメールやSMSが届くおそれがあります。本人のことを知っているかのような文面も作れるため、詐欺の手口に十分注意してください。
  • クレジットカード情報や認証コードを入力した:不正使用がないか確認し、不安があればカード会社にカード機能の一時停止や番号変更を相談してください。
  • Android向けの不正アプリをインストールした:遠隔操作や不正送金、情報の窃取、勝手なSMS送信などの被害に遭うおそれがあります。ただちに通信を遮断(機内モードをオン)し、IPAの解説ページにある対処の手順に従ってください。

相談先

手口に当てはまる相談は、IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」で受け付けています。被害に遭った場合は、最寄りの警察署または警察のサイバー犯罪相談窓口、警察相談専用電話「#9110」にも相談できます。

銀行をかたる偽アプリの手口については、【10月注意喚起】銀行の偽アプリに注意もあわせてご覧ください。

まとめ

2026年第3四半期の相談件数は前四半期より減りましたが、前年同期より約19.3%多く、サポート詐欺と不正ログインの相談が目立ちます。画面の警告や公的機関をかたるメールに慌てて対応せず、パスワードの使い回しをやめ、多要素認証を有効にしておくことが、被害を防ぐ現実的な対策です。

出典:IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第3四半期(7月~9月)]」(2026年10月23日)
元記事URL:https://www.ipa.go.jp/security/anshin/reports/2026q3outline.html
参考:警察庁「サイバー犯罪対策 相談窓口」

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