大阪公立大学で2026年10月2日未明に起きた大規模なシステム障害について、大学は10月21日の第5報で、原因がNEC(日本電気株式会社)の再委託先へのサイバー攻撃だったと公表しました。再委託先が持つ正規のアカウントで、大学のシステムに不正にアクセスされたとしています。大学は10月5日の記者会見で、この障害をランサムウェア攻撃によるものと判断したと説明していました。
第5報では、NECが使っていたクラウドストレージから、大学に関連する個人情報とシステム関連情報の漏えいが確認されたことも明らかにしました。漏えいした情報の内容や件数は、NECに確認中です。一方、記者会見で漏えいの可能性があるとした教務システム関連の情報(約13万件など)は、これとは別のもので、漏えいの有無を引き続き調査中です。
障害発生から原因判明までの経緯
| 日時 | できごと |
|---|---|
| 2026年9月下旬 | NECの再委託先がサイバー攻撃を受ける(第5報でNECから報告) |
| 10月2日(金)0時20分ごろ | 保守管理の委託会社(ベンダー)が、情報基盤システムのサーバーが順次停止する事象を確認 |
| 10月2日 1時40分ごろ | ベンダーから大学の情報システム部門へ連絡 |
| 10月2日 4時ごろ以降 | 調査の結果、仮想サーバー群の停止と、一部データの改ざんの形跡を確認 |
| 10月2日 8時15分 | 学長を本部長とする危機対策本部を設置 |
| 10月2日 | 第1報・第2報を発表。大学の授業は休講に |
| 10月5日(月) | 個人情報保護委員会へ連絡。記者会見で、ランサムウェア攻撃によるものと判断したと説明 |
| 10月9日(金) | すべてのキャンパスで対面授業を再開(第4報) |
| 10月20日(火) | NECが大学に原因を報告し、17時に自社サイトで公表 |
| 10月21日 | 大学が第5報を発表 |
記者会見の配付資料では、影響を受けた主なシステムとして、学内ネットワーク、OMUメール、法人の各Webサイト、教職員用の学内ポータルサイト、事務端末、財務会計システム、人事・給与システム、教務システム、教育支援系システム、入試の情報データベース、図書館システムを挙げています。医学部附属病院と獣医臨床センターのシステムには影響がないとしています(第1報)。
漏えいの状況:2種類の情報に分けて整理
第5報では、漏えいに関わる情報が2種類あると説明しています。混同しやすいので、表にまとめます。
| 情報の保管場所 | 内容 | 状況(10月21日時点) |
|---|---|---|
| NECが使っていたクラウドストレージ | 大学に関連する個人情報とシステム関連情報 | 漏えいを確認。内容や件数はNECに確認中 |
| 大学の仮想化基盤システム | 教務システム関連の情報(約13万件)など。10月5日の記者会見で、漏えいの可能性がある業務システムとして発表 | 漏えいの有無を引き続き調査中 |
NECの発表によると、このクラウドストレージは、NECが作成し、顧客とNEC、NECと委託先といった関係者の間で情報共有に使っていたものです。保存されていたファイルには、顧客が持つ個人情報やシステム関連情報などが含まれていました。NECは、漏えいした個人情報の詳細は、分かり次第顧客に報告するとしています。
NECの説明:再委託先の正規アカウントが悪用された
NECは10月20日、システム開発と保守業務を委託している企業が9月下旬にサイバー攻撃を受け、盗まれた正規アカウントの認証情報が悪用されたと公表しました。NECの発表の要点は次のとおりです。
- 顧客のシステム環境に、委託先の端末から正規アカウントを使った不正アクセスが行われ、サーバー内のファイルが暗号化されて各種システムが使えなくなった
- 関係者間の情報共有に使っていたクラウドストレージ内のファイルの漏えいを確認した
- 影響があった複数の顧客には、すでに個別に連絡している
- 委託先にNEC管理の端末を貸与するなどの対策を進めている
NECの発表には、影響を受けた顧客の名前は書かれていません。大阪公立大学は第5報で、NECから受けた報告として今回の内容を公表しています。
大学の対応
- 10月2日に学長を本部長とする危機対策本部を設置し、原因究明、被害範囲の特定、システム復旧を進めている
- 外部の専門事業者などの支援を受けて、原因究明と被害状況の調査を進めている
- 個人情報保護委員会に報告し、文部科学省、設立団体の大阪府・大阪市、JPCERTなどにも報告した
- 臨時のMoodleやポータルサイトなどを構築し、10月9日から対面授業を再開した
- NECと連携しながら情報を集め、必要な対応をとるとしている
学生・教職員・関係者がとるべき対応
大学の臨時お知らせサイトで続報を確認する
大学の公式サイトは停止しており、公式サイトが復旧するまでは「公立大学法人大阪 臨時お知らせサイト」にお知らせを載せています。漏えいした情報の内容や件数は、まだ公表されていません。対象になったかどうかは、今後の大学の発表を待つ必要があります。
大学やNECを名乗る連絡にすぐ応じない(筆者の見解)
ここからは公式発表には記載のない、筆者としての見解です。大学は第5報の時点で、利用者に向けた具体的な注意事項を示していません。ただ、システム障害でメールや手続きの案内が普段と違う形で届いている時期なので、「アカウントの再設定」「授業料の支払い」などを名目にしたメールが紛れ込むと見分けにくくなります。筆者としては、メールのリンクからIDやパスワード、口座情報を入力せず、臨時お知らせサイトの案内と照らし合わせることをすすめます。
問い合わせ先
大学は、内容に応じて担当部署が異なるとして、臨時お知らせサイトの「お問い合わせ先について」に問い合わせ先の一覧(PDF)を載せています。報道関係者からの問い合わせ先は、大阪公立大学 広報課(電話 06-6967-1834)です。
まとめ
- 大阪公立大学で10月2日未明に大規模なシステム障害が発生。大学はランサムウェア攻撃によるものと判断した
- 原因は、NECの再委託先が9月下旬にサイバー攻撃を受け、再委託先の正規アカウントで大学のシステムに不正アクセスされたこと
- NECが使っていたクラウドストレージから、大学に関連する個人情報とシステム関連情報の漏えいを確認。内容や件数はNECに確認中
- 記者会見で漏えいの可能性があるとした教務システム関連の情報(約13万件など)は別のもので、漏えいの有無を調査中
調査は続いており、内容が変わる可能性があります。最新の情報は大阪公立大学の臨時お知らせサイトとNECの公式発表で確認してください。
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出典:大阪公立大学「本学情報基盤システムにおける障害の発生について【第5報】委託先公表のサイバー攻撃事案に伴うシステム障害・情報漏洩について」(2026年10月21日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news/2026-10-21-1d69aecb.html
出典:日本電気株式会社「委託先への不正アクセスに起因するお客さまのシステム障害、情報漏えいに関するお詫び」(2026年10月20日)
元記事URL:https://jpn.nec.com/news/info/20261020.html
出典:大阪公立大学「本学情報基盤システムにおける障害の発生について【第4報】対面授業再開のお知らせ」(2026年10月8日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news/2026-10-08-c5873744.html
出典:大阪公立大学「情報基盤システムにおける障害に関する記者会見を実施」(2026年10月6日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news/2026-10-06-7fb5a624.html
出典:大阪公立大学「本学情報基盤システムにおける障害の発生について記者会見」配付資料(2026年10月5日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news-files/2026-10-06-7fb5a624/press-conference-materials_20261005.pdf
出典:大阪公立大学「本学情報基盤システムにおける障害の発生について【第2報】」(2026年10月2日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news/2026-10-02-outage-2.html
出典:大阪公立大学「本学情報基盤システムにおける障害の発生について【第1報】」(2026年10月2日)
元記事URL:https://www.omu.moe/news/2026-10-02-outage-1.html


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